「成功や挫折の経験について」
成功や挫折の経験の無い人など存在しない。但し、それをどう活かすかは個人の能力や性格によりかなりの差が生ずる。この差はどこから生ずるのだろうか、という事を職業柄時々考えさせられる。小さな成功から、大きな成功のきっかけを編み出す方もいれば、大きな挫折から何も得ないでそのまま沈んでいってしまう方もいる。
ただ現実的には「大きな挫折」からは、失望感や落胆、周囲の表面的な評価などが、真摯な内省を妨げるプレッシャーとなってしまう事も多い。「小さな挫折」や「小さな成功」から、学び取ることが出来ればそれに越した事はない。
その際、見落としがちな点がある。それは、自分にとって「挑戦し甲斐のある」価値のある仕事へのチャレンジがあり、その中で、精一杯の準備をし最大限の努力をした結果、成功したり残念ながら力及ばず挫折した場合、それが自身の成長の糧になる確率が高いということである。しかし、大半の挫折や失敗は、単なるミスや不注意、準備不足から来るものが多く、評価が下がり周りからの信頼を失う。前述の条件に見合った「価値ある挑戦」をし、精度の高い内省をしていないと、成功や挫折が自分の糧となりにくい。
そこで、自分にとっての「挑戦し甲斐のある仕事」とは何か?を、日頃からその問題意識を持って、現在或いは近い将来の仕事への価値あるチャレンジを強く「渇望」する必要がある。これが無いと、折角のチャンスが巡って来ても、それに気付かなかったり、本来の挑戦では無い仕事に、ポジションや年収が上がるという理由でチャレンジしてしまう事になる。
良い機会に恵まれる、恵まれないという事、そのタイミングで自分の挑戦への意識が明確であり、ある程度チャレンジの準備が出来ている事、これは考えてみるとなかなか得られない確率となる。これは人知の及ばない分野で、これを「ご縁とタイミング」という言葉で表現される。
転職するか否かに拘わらず、自分にとっての挑戦し甲斐のある仕事に出会わなければ成長は見込めず、この機会が目の前に現れた時に、「それだ」と気付く必要がある。これがなかなか難しい。普通は通り過ぎてもそれに気付かない事が多い。換言すると、その感性を磨いておくことが成功の確率を左右すると言っても良い。
日頃からその感性を研ぎ澄ませ、いざという時の為の準備を怠らない方は、どうみても成功の確率が上がってしまう訳だ。
当たり前と言えば、身も蓋もない「当たり前」の事ではある。
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