本来人の見極めは困難であり、大それた事だ。自分の見極めさえ覚束ないのにである。しかしながら、クライアントは我々にその能力を期待する。そこで改めて見極めるとは何か?何を見極めるかの私見を述べたいと思う。それは、大きく三点ある。
第一に、私はそのスキルや専門性或いは人間性がProvenなものかどうかだ。候補者にインタビューしていると、あの時はこうしたいと思ったがある事情で出来なかった、従って今度チャンスがあればこうしたい、ああしたいと言う発言によく出くわす。それに対してProven Skillかどうかとは、あの頃困難がありそれを乗り越えたのはこれをこうしたからだ。と言う具体的なエピソードがあり、それを体系化して、次の職場でも活かせた場合である。ああしたいではなく、こうしたと言う事実の積み上げである。
第二に、見極めなければならないポイントがある。それはコミュニケーション能力である。如何に優れた人材でもその能力をタイムリーに人に届ける必要がある。コミュニケーションには5方向あり、上司、部下、同僚(社内)、クライアントと業者或いはパートナー(社外)の5方向である。事を起こすには対象クライアント、上司への進言力、社内の巻き込み力は勿論必要なのだが、本当に困った時頼りになるのが、業者、パートナー達である。たまに業者に対して上から目線で威張り散らす方々がいる。日頃業者に対しても丁寧に接する方々もいる。どちらが事を為せるかは明らかであろう。特に我々は対象者が日頃業者の方々とどう付き合っているのかを丁寧にインタビューするのである。
第三に、特に経営者候補の場合、私が気を付けて見ている点がある。それは哲学の有無である。その方と暫く話していると、ほのかに匂い立つもの、それは生き方や仕事や人に対する哲学の様なものだ。それが正しいか間違っているかと言う問題ではなく、どの様な環境にあってもぶれない「人としての芯」の様なものが形成されているか否かである。例えば元国連高等弁務官の緒方貞子氏、元ドイツ首相のメルケル氏、様々なご意見はあろうが現米国大統領のトランプ氏にもある種の哲学を感ずる。最近の経営者にはあまり見かけなくなってしまったのは残念だが、哲学は広く世界に通ずるもので、資源も軍力も僅かなこれからの日本のリーダーには必須科目かと思っている。それでも尚、人の見極めとは難しく、対象の国や企業のカルチャーや価値観とその候補者のフィット感にもよるところが大きい。ただ、前述の三点を外して良きリーダーになる事はないだろうと考えている。
最近のコメント