最近の自分にとり、「チャレンジすべき難しい事」を挙げてみたい。
- 弱い立場への配慮を忘れす、顧客満足を得ながら、ビジョンを守りながら売上、利益を追求すること。
- たわいの無い基本を丁寧に徹底して繰り返すこと。
- 顧客、候補者、社員3方向に同時に価値貢献すること。
- Give & Takeの順序通り、最初こちらからGiveをして見返りを求めないこと。
- 己の分を知り、自分の役割を認識すること。
- 常に革新しながら、飽きないで商いを続けること。
- 小グループでも、どんな時も信頼し合えるチームを作ること。
- 既存の顧客を維持しつつ、常に新規の顧客を開拓すること。
- どんな時も楽しく仕事をこなすこと。
- 自分の会社に、適切な後継者を育て経営承継すると共に、ステークホルダーに対して変わらね価値提供を続けること。
世の中には、「難しいがやらねばならない事」が多い。その中でも極め付けは、私にとって上記の4と10である。特に4の命題は、ビジネス上では簡単には受入れられず、また納得出来にくい。皆がGiveばかりでTake(売上)が立たなければ組織としては立ち行かない。それでもなお、最初にGiveがあり、暫く経ってTakeが追いついて来る場合が殆どである。考えてみれば、その様な構造になっている。「こんなにしてあげたのに応えてくれない」と人は考えがちである。Giveは相手に対する価値ある情報の提供を含めてである。それが十分出来ていないのにTake(結果)が伴わないのは道理である。
物品そのものに価値がある場合でさえ、その販売員の接客、接遇の良し悪しに左右される。ましてやサービスやコンサルティングなどよ無形のものとなると、有償化するにはそれなりの準備と順序があるのである。
我々のビジネスでは、クライアントの人材探索依頼が来てそれに応じた提案書、見積書をお出しするのだが、これではGiveが欠けている。何故我々を選ぶのか?差別化要因は何か成功を担保する何かについて納得や信頼を勝ち得ているか?など、クライアントが稟議書を通す為の準備が不足しているケースが多い。むしろ、人材のニーズが顕在化する前が勝負であり、それまでにせっせとやるべき事をこなし価値提供に怠りがなければ、後でバタバタすることも無いのである。
言い方を変えると、相手方が行動を起こすのに必要と言われる三段階のプロセス: 「理解」→「納得」→「信頼」の、途中過程では、何らかのGIVEをし続ける必要がある。相手側が行動を起こしてくれないと嘆く前に、やるべき事があると考えた方が良い。それでは「納得」から「信頼」へと移行させる為の基本要素とは何か?諸説あるところだが、それは「感謝の気持ちの連鎖」の様なものと考えている。これは顧客の立場でであろうと、業者の立場であろうと変わりが無い。お互い助け合ってあるプロジェクトを完遂しようとしている事に変わりは無いからだ。
胸に手を当ててみれば、日常の中に感謝する部分が必ずあり、持ちつ持たれつで成り立っている。その感謝を深く認識することは、幸福の源泉でもある。感謝があると、自分の幸福の一部を譲ろうと思うようになると言う。そうやって見返りを求めず「与える」ことを続けていると、いつしか得たい成果が得られる。「与える」と「得る」という世の中の不思議なからくりである。古今東西の賢者達が幾度か指摘している事だが、私には俄かに信じ難かった。これに気付き始めたのは50台の後半辺りからだろうか。お恥ずかしい限りである。以下のエッセイは、私が読むたびに、そういう事だなぁと納得し、反省させられ、また勇気づけられる一文である。
「人はその数だけ特殊な使命を持っている。誰ひとりとして要らない人はいない。そのことをはっきりと自覚し、自分に与えられた運命の範囲を受託し、そのために働き、決して他人を羨まない暮らしをすれば、誰でも今いる場所で輝くようになる。」(曾野綾子)
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