つい最近までTV放映されていた、女優杉田かおる氏の出演するコマーシャルで、なるほどと思わせるものがあった。最近の氏が自宅のTVを一人でみかんを食べながら見呆けている姿がアップに・・・そのTVのコマーシャルに子役時代の愛くるしい氏が登場する。そのあまりの時代の隔たりと氏の見事に老けこみ、夢も希望も無い荒んだ(演技で・・・)表情の対比が残酷でかつユーモアがある。その氏の表情は緊張感がなく、でれっとしていてどこか不遜な感じがある。所謂「仏頂面」なのである。私はこの女優の演技力に改めて感心したが、その一方で面白い事に気づいてしまった。
表情の無い「仏頂面」をしている時間が長いほど、その表情が顔に深く刻みこまれ、「老けた」表情として固定化するのではないか?という事である。
年齢はまだまだ若いのに「老けこんだ」表情をしている日本人が最近激増しているのではないか、と個人的に感じているのであるが、それは私だけだろうか?特に最近気になるのは、通勤電車の車内や都内の雑踏の中で(すなわち、公衆の面前で)、無表情で廻りの事などは全く度外視して何かをしている人々、あるいは何もしていない人々が散見される現象である。皆一様に魅力的に見えないばかりか、「老けこんで」見えるのが不思議である。小職は現在55歳であるが、この年になると普通の顔をしているつもりでも、哀しいかな自然と仏頂面の様な顔になりがちである。それに加え、実は若い女性達も、最近仏頂面をしている方が多く、アンチ・エイジングの怒涛の様なブームとは裏腹に、実は、日々の暮らしの中でエイジングを加速させているのではないだろうか?一方で、公衆の面前に立ち、廻りの事にさりげなく気を使いながら、皆に迷惑をかけないで「凛としている」こと、またいつも廻りから見られているという意識を継続的に持ち、その相手に表情豊かに喜怒哀楽を表現することこそ、アンチ・エイジングのツボがあるのでは、と最近一人得心している。日頃数多くの経営者及び経営幹部の方々とお会いするが、溌剌とし、表情豊かな人はそれだけでも十分魅力的であり、年齢を感じさせない方が多いのも事実である。
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