今日は少し性根を入れ、覚悟を決めて書かねばならない。かなり過激な意見かもしれないが、小職の独断と偏見にお付合い頂く事にする。
最近、30前後の団塊ジュニアの人々と親しく接する機会があった。彼ら出身大学を聞くとまずは一流校を卒業して、社会人8年から10年選手である。大企業勤務が7割、中堅・中小企業勤務が3割である。全員が善人で真面目そうであり、常に廻りの人々との関係を気にしていて、横並びしようとする意識が強い。自分の意見を述べる場合に必ず独断を避け、「・・・みたいな。」という語尾をつけるのである。仲間外れになることを極端に恐れているようだ。誰が何と言おうと、自分はこう考える!というタイプの若者が少ない。そして話し言葉や考え方に何か深みが無く、どちらかというと幼稚で内向きであった。もう一つ、どこでもいつでもコンビニでものを買い、食べるのである。定時に3食食べるという発想からかけ離れている。どうも食習慣や内容がプアで、家庭の手作り料理をしっかり食べていないのか、体幹のしっかりした男女が少ないのである。小顔にはなったものの、昔見かけた様な「素晴らしい体躯と輝くような個性」を持った若者が極端に少なくなったなあ・・・と感じたものである。
さて、昨今の小学校、中学校事情の荒廃ぶりはよく見聞きするが、NHKの「ようこそ先輩」シリーズをみていると、本当かな?とも思う。しかし、NHK特有の「小善人的」な価値観に敢えて当てはめさせられて、子供達の実態を反映していないのかもしれない。
今後の日本のグローバル市場へのさらなる成長、あるいは日本社会の大人としての成熟を考えた時、それを下支えすべき子供の成長及び成熟がある。日本の子供の成長、成熟を考えた時、学校教育は重要ではあるが、学校に人間教育をしてもらおうと言うのは、少し検討違いではないか?いつの時代でも、子供の基礎となる情操教育や躾は家庭であり、やはり母親の影響は甚大である。父親も勿論責任はあるのではあるが、その影響力から考えると、日本の女性の価値観やビヘイビアが、今後の子供の成長や日本の未来を左右するとも考えられる。まずは、言葉遣い。躾、物事を深く考える習慣、読書、マナー全般(特に食事のマナーなど)、会話力、人を思い遣る心、他人と意見が違っても堂々と自分の意見を述べる姿勢、などなどである。
実は、前から不思議に思っている事がある。大方の現代の日本の働く女性たちの興味の対象が、究極この二つに集約されている様な気がするのだ。大変優秀で心もあるあのインテリの女性が・・・と思われる様な人々も含めである。この傾向は今や若い男性諸君にも伝染している様だ。それは、「他人と比較して・・・」①「自分や自分の家族が幸福になること」と②「痩せて若く見せたいこと」。多くの反論が聞こえてきそうである。勿論、例外はあるだろうが・・・。
つまりは、「他人と比較して・・・」という事なのである。本来、「幸福」とは相対価値ではない。自身が「幸福だ」と思えばそれでよいのである。言わば主観的なその人の心の状態を指す訳なので、他人と比較して云々するという意味が判らないのである。また、②の痩せて若く見せることであるが、これも「他人からどう見られるか?」という受け身思考である。出来あいのありあまる食材を大量に摂取し、その太った分を減らす為にまた大金を投ずるのである。恵まれない地域に望んでもいないのに生まれつき、今日食べる事に不安を覚えながら生きている多くの人々からすると失礼な話である。。自分の代謝量以上のものを摂取しているから太るのである。本当にシンプルな話である。痩せて若く見せる事に、注ぎ込んでいるあれほどのエネルギーと金をもう少しまっとうな方向に向ける事が出来れば、大袈裟に言うと世の中変わるのではないか、と思うのである。やはりかなり過激な意見であろうか・・・。
その母親たちが、まず「他人と比較して」を子供の頃から我が子に植え付けるのである。これは特に日本の場合、勉強の比較であり、「出来あいの試験問題に上手く反応出来るか?」という単純比較である。それさえ出来れば、その他の事はまあ許されるという免罪符を子供に付与している。従って、例えば、障害者優先席に平気で小中学生が座って飲み食いしている。注意などしようものなら、付添いの父母に猛烈な抗議を受けるのである。また、大学受験で疲れて遊び呆けている日本の大学生。彼等は、最高学府で学ぶべきものを当然ながら学んで来ていない様だ。それは30前後の団塊ジュニアに接することで確信した。要するに、「自分の頭で深く考え、調査をし、仮説を立て、それを検証し、皆の前で発表して評価を受ける」訓練である。これは社会人になるとどの様な仕事でも、リーダーに求められる最低条件である。プアな頭脳にコンビニや出来あいの食習慣から来るプアな肉体で、グローバルに戦える程、世の中は甘くない。このような傾向は、世界レベルで考えても、やはりかなり特殊で、全体感としては最近の日本の青少年のメンタリティは、今や世界の中でも相当異質なのになっている様な気がしてならないのである。
私事になって恐縮だが、私は50数年の人生の中で、「幸福になろう」と意識した事が無い。語弊があるといけないので、正確に言うと、「他人に幸福であって欲しい」とは思うのだが、自分が幸福かどうか?で悩んだりした事が無い。という事は、自分を不幸だ・・・と思ったことも、うーん、正直無いのである。お前のことなど興味が無い、と言われそうだし、自慢話をしているつもりは毛頭ないが、実は私は本当の苦労を知らないからそんな事が言えるのかもしれない。しかし、世の日本人男性の体たらくは一旦棚に上げて、将来の子供に対して最も影響力を持つ、日本の母親及び母親の候補生である女性陣の現在の状況は、日本の将来にとって非常にまずいのではないか・・・、という思いがある。
こうやって、日本は地盤から沈んでゆくのだろうか?と暗澹としていた矢先、つい最近、ある経営者に久々再会した。「明日の日本を創る」というVisionのもと、典型的な20世紀型大企業を飛び出し、今時代の最先端を行く企業の日本法人社長を経てVentureを立ち上げられた。日本全国の匠の技が生む名品を世界に紹介する「日本発世界へ」のeコマースサイトと、20世紀モデルの古いビジネスモデルをSNSを駆使し一変させてゆこう・・・と邁進されている。従業員は皆30歳前後である。小さなグローバル企業を創るという誇りと、成功した際のプロフィットシェアを夢見て昼夜分かたず奮闘されている。いい顔をされている。こういう方々もいるのだ。
私の危惧はやはり紀優なのか・・・
最近のコメント