練習場のゴルフプロから、「それじゃ、爺(じじい)スイングだよ!」との指摘を受けた。ショックだった。一念発起してこの二か月程、手先で器用に振っているチマチマとしたスイングから、体の大きな筋肉と体重移動を十分に使ったフルスイングへの変身を試みた。その結果、なんと飛距離が10%以上向上した。10%というと少なく聞こえるかもしれないが、220Yard+22Yardというのはゴルフの世界では「チャンピョンコース」で勝負できるどうかの、かなり決定的な差があるのである。
これと同じ様な経験をビジネス界でも経験した方は多くいらっしゃるのではないだろうか?自分で「これで良い」と思い込んだスタイルに安住し、だんだんとすべての面でチマチマとしている自分に気付かず、大きなチャレンジが出来ない、もしくは、目先の目標に囚われ過ぎ、大きな伸び伸びとしたジャンプが出来ない。それは顧客にも伝わってしまい、何となく窮屈な印象を与える。結果、ビジネス全体が縮小均衡してゆく図式である。
これは実に恐ろしい現象だと思う。
時々、白紙に戻って「フルスイング」してゆく事を自分に課さないと、継続的な成長は難しい。言葉に言うのは易しいが、実際にやってみると、足腰、背中の大きな筋肉が、普段使われていない為、収縮してしまっていて、かなりきつい筈である。しかも一旦今まで出来た事が出来なくなるというケースも多い。有名な一流プロスポーツ選手ほど、その時々での大きなチャレンジテーマを見つけ、粛々と研究していると聞く。
別の観点から見ると、将来伸びる人材は、若い時に思い切りフルスイングしているものである。フルスイングとは、一見不可能に見えるプロジェクトへのチャレンジ、それをじっと見守るメンターの存在である。七転八倒して、それを何とか乗り越える様な、または大失敗の経験である。そのベースがあって、次第にまとまってゆくのは良しとするが、最初から結果を気にして小さく纏まってしまうのは、手順前後である。、30歳中盤で大きく伸びるべきところで伸びられない。所謂、「チマチマ病」である。
経営者人材いう観点でも、30中盤から後半にかけ、ジェネラルマネジメントとして過酷な体験をしていればしている程、40歳台、50歳台で大きく羽ばたける方々が多いのは、よく知られている事実であり、我々のビジネスを通しても実感出来る。
この、「チマチマ病」を防ぐのにはどうしたら良いのだろうか?
私見ではあるが、3点挙げてみたい。
①自ら内省し、常に過酷な環境に身を置こうとする、「チャレンジ精神」。
②常に現在スイングをチェックし、文句をズバリと言ってもらえる「メンター」の存在。
③さらに大切なのは、信頼できる人からの厳しい忠告を「素直な心で聞き、実行してみる」という度量。
貴方(貴女)は今、フルスイングしていますか?
最近のコメント