「自分にとっての顧客にFocusせよ!」
― 結果は自ずからついてくる。
「自分にとっての顧客とは誰か?」これは至極単純な問いではあるが、永遠のテーマでもある。経営者にとっても、経営幹部にとっても、ミドルマネジメントにとっても、一メンバーにとっても、この問いは均一に発せられるべき重要な問いである。何故ならば、究極のところ、すべてのメンバー構成員の報酬を支払っているのは顧客であるからである。経営者はそのアロケーションについての権限を一部任されているに過ぎない。
また、顧客という視点を少し掘り下げてみると、直接顧客のフロントラインに接していない間接部門の方々にとって、当面の自分の顧客は誰か?という問いも重要である。
企業のValue Chain(価値連鎖)の中で、実際の顧客である最終工程に向かって、自分の部署の次のプロセス部署が「自分にとっての顧客」であるケースが多い。社内外を含めた工程の中で付加価値が増殖してゆき最終的に顧客に価値提供が行えるという観点である。
最近お会いする経営幹部の中で、マネジメント・ルームでの政治的な駆け引きや、部下とのコミュニケーションに迷っておられる方々が驚くほど多い事に気付かされる。また、間接部門の幹部にとっても、プロフィットを担う直接部門と比べ日が当らないとか、今一つ遣り甲斐が感じられず、部下の指導にも迷いがあるというご意見も聞くし、部下側もしらけている。
マネジメントそのものを、「顧客への価値提供が如何にスムースに効果的に出来るか?」という観点から再設計が行われるべきだと思う。そこで原点に帰って、「自分にとっての顧客の為に徹底的に尽くす事」にFocusしてみてはどうだろうか?しどもど言わずに、自分にとっての顧客に皆がFocusを始めると、社内の空気は一変する。評価なり、実績なりは後からついてくるものなのである。顧客への不満を抱える方も多い。しかしその前に顧客に徹底的に尽くしてからものを言うべきであろう。
顧客の悩みを理解し、自分が今出来る事を常に考え、具体的に実行してみる。マネージャー、あるいは経営幹部はそれをよく観察していて、その行動を皆の前で褒め称え、その障害要因を取り除く事に邁進する。「顧客からの反応をタイムリーにフィードバックする」のもマネージャーの重要な役割である。何故なら、「如何に役立っているか」が判るからである。「人の役に立つ事」、これはモチベーションの源泉であると同時に、自身の精神面での衛生にも大きく貢献する。これにより、ムダな作業や会議の排除、生産性の低い社内政治の排除が達成され、結果、顧客や社員の満足度が同時に向上し、「品質の向上、スピードアップ、コスト低減」は、同時に達成できるのではないか?私見であるが、この単純なことの繰り返しが、現在の日本の閉塞感を突破する糸口である様な気がしてならない。
「まず、自分にとっての顧客に徹底的に尽くしてみよう。結果は自ずからついて来る!」
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