中学生の頃、友人宅で聞いたビバルディの「四季」が物心がついて初めて接したクラシック音楽だった。友人の父親が大学教授で見事な音楽室に高級なオーディオセットに驚いた記憶が鮮明に残っている。その同じ場所でキースジャレットの「Facing You」というアルバムを聞いて、即興でスウィングするジャズの醍醐味を味うと共にクラシックとジャズは似ているものだという印象を持った。その大学教授の父親が大の八代亜紀のファンだと知って、音楽に境界は無いと知った。
寅さんの「男はつらいよ」シリーズに出演していた都はるみが、居酒屋で寅さんの並びながらアカペラで「矢切の渡し」を歌い、寅さんに「上手いね、プロになったら・・・」というユーモラスな場面も思い出す。プロの演奏を身近で聴けたらどんなにか素晴らしいのだろうと想像を膨らませた。たまたま前職で米国に赴任する機会があり、まだ無名なケニーGの野外コンサートで本当に身近な演奏を聴き、やはりその想像は間違いではなかった。デビュー当時のカーペンターズの「遥かなる影」やサイモンとガーファンクルの「サウンドオブサイレンス」を聴き、その歌声の透明さと確かな臨場感に共鳴し、スティービーワンダーの来日公演のTV中継の「Lately」というナンバーを聴いて、その圧倒的な声量とミアニシモの繊細さとのギャップに人は感動するのではないか、と気付いた。最近、「We are the world」というナンバーを欧米の有名歌手の面々が歌うビデオを久々に見て、何故か涙が止まらなかった。
という訳で、音楽はジャンルを問わず好きでいつも身の周りに存在していた。学生の頃はピアノもギターもある程度は嗜んだが、どういう訳か社会人になって止めてしまったが勿体なかったなと思う。最近は、元気の良い時は、ショパンの「英雄ポロネーズ」やラフマニノフのピアノ協奏曲第二番などを演奏者を変えて聴き比べをしたり、元気の無い時には、バッハの「ゴールドベルク変奏曲」などを聴いたりしている。車のバックグラウンドミュージックとしては、アリアナグランデやテイラースウィフトがもっぱらである。音楽は人生に彩りを与えてくれる自分にとっては大切なものである。
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