決してカミングアウトではないのだが、私はいつもずぼらであり、整理整頓がことの他苦手で、好奇心だけは人一倍強く、自分の事になるとそうではないのだが、他人の事になると短気である。怒りっぽくなるタイミングが何と言うか、少し変わっている様で、普通の人は当方が何で怒っているのか見当がつかない。ある方向性の沸点を超えると、「ボーン」と爆発するのである。多分、これは死ななければ治らぬ、一つの病気ではないか?と最近考えている。腹を立てるという行為そのものが、単一的な価値観から抜け出せない一つの幼稚性を表している事は、この歳になって何となく気付いているのだが・・・
何か一つや二つ良い点は無いか?と最近真剣に考えては見るものの、敢えて言えば「鼻がいい」ことと、「諦めが悪い」ぐらいだろうか?これは利点に入るのかどうか、議論の分かれるところではある。従って親しい人には、自分は「品性は低いが、品格は高い」などと、ずうずうしい言い訳をしている。
さて、この様な不完全極まりない小職でも、「これは、おかしいぞ・・・」という事が最近多いので困るのである。その最たるものは、例えば被災地の方々に対して芸能人やスポーツ選手が良く口にする、「皆に感動を与える為に頑張る」とかいうフレーズである。これは何回聞いても耳障りというか、何か違う気がするのは私だけなのだろうか?最初から感動を与えるなどと上段に振りかぶった表現をするのもする方だが、それを許していて戒めないマスコミもマスコミである。本来こういう場合には、「我々はそれぞれの職分を懸命に全うすることしかできないが、それをご覧になった方々に少しでもお役に立つような事があれば、それは我々にとって望外の幸せです。」という表現ではなかろうか?
日本人の数少ない美点に「謙譲の美徳」があるが、これでは逆効果である。この様な常識を何故誰も正々堂々と言わないのだろうか?不思議でならない。ある意味自分を捨てて粉骨砕身努力した結果、人々の予想を超える何がしかの成果が収められた場合、それを見て感動するのは、他人の勝手なのである。自分が感動させようとした心情で為せる結果に、人は感動するものなのだろうか・・・
と同時に感ずるのが、ある現象を思いつきで命名し、マスコミが平気で乱用することで、変な「市民権」を得てしまっている言葉が氾濫していること。TVとか新聞には認知することで市民権を与えてしまうという大きな力があるという事への自覚の薄い、マスコミ関係者の出現には目を疑いたくなる。「自分探し」「お一人様症候群」から「援助交際」に至るまで、枚挙にいとまがない。命名するという作業は、実に不思議な力を持っており、それをマスコミ上で何回も見聞きすることで、相応のマジョリティの人間があたかもそれに加担している様な錯覚を人々に与えるのである。全く関係の無い人まで、皆がやっているのだから・・・などというとんでもない価値観の反乱を生む源泉になっている様な気がするのである。
さて、もう一つ、不思議でならないことがある。
不謹慎極まりないと怒られてしまうかもしれない。が、今回の震災の後心理として、皆が一旦慎重になり、安全を願うのはある意味当然ではあるものの、「自粛」という言葉のネガティブな重みである。震災及び原発事故の本当の影響が出始めている。東北地方のみならず、全国レベルで娯楽産業が壊滅的な打撃を受け、電発関連でも野菜や漁業に対する直接的な被害のみならず、停電などによる工場などの不安定稼働による間接的被害、それによるサプライチェーンが途絶えることによる経済的被害が現実化、深刻化している。海外の一部では「日本は終わった」などと風評されているとも聞く。これに加えて、「自粛」ムードである。被災地への復興資金を捻出もこれは継続的な莫大な投資が必要な筈である。これを支えるのは、経済力であり、消費者の購買意欲である。少し財布の状況が乏しくとも敢えて経済を活性化する為に、内需を高めなければ、正に日本経済はデス・スパイラルに陥る。外需については、外国の人々に日本は今大変だから、特別に他国の物に優先して日本製品を買ってくれ、とはなかなか言えないではないか。こんな事は私の様な凡庸な人間でも少し考えれば判りそうなものである。
何故、政界、経済界、アカデミアのリーダー達は、「このままでは日本は沈没だ。今こそ、力を振り絞って皆で消費しよう!そうしないと被災地への復興資金も捻出できない。景気が廻りだせば、これこれの明るい未来がある!」また、地方の活性化の為にも、「どんどんお祭りを開き、内外から人を集めよう!」と声高らかに宣言しないのだろうか?それなりの力を持った者達には、それなりの責任があるのである。政界と経済界のリーダー達は、今こそガッチリとスクラムを組んで、「消費喚起」の一大センセーションを巻き起こす、様々なプログラムの提供を急ぐべきなのである。そうでなければ、今度こそ確実に日本は衰退の道を辿るだろう。
そう言えば、最後にもう一つ自分の欠点に気づいた。
「口が悪い」のである・・・
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