本年6月中旬の日本経済新聞一面に、「トップ交代 上期636社」と第した記事が掲載された。超大手リーダー企業において特に顕著であり、年代別分布で、 60才台37.3%、50才台47%、40才台11.8%との統計で、40才台が1割強となり伸張、平均年齢 56.3才という事である。この記事から、少し辛口のコメントをしてみたいと思う。
第一に、欧米の平均年齢と優に10才の乖離があり、「心・技・体」に充実した40才台の欧米経営者と疲弊した50才台の日本の経営者のグローバル競争の構図が見え、日本の将来にかなり差し迫った危機感を抱いたこと。
第二に、50才台、60才台の「持てる世代」(老後年金も含め不安のない世代)が、彼らを支えているに40才台、30才台、20才台の「持たない世代」の上にまだドシンと乗っかっている事実にストレートな矛盾を感ずる。「持たない世代」は重責に比して裁量権が限られ、特にSpeak Outをせず、黙々と仕事をこなしストレスを溜めている、という何とも不健全な構図も見えかくれする。「高度成長時代」という日本の歴史上稀にみる特殊な 50年間の後遺症がまだ残っているせいなのだろうか?
50才台、60才台の世代の重さと、貯蓄力に応じた消費をしない事が、日本経済の活性化をスポイルしていると思う。(ちなみに筆者は、50台です・・・すみません!)
第三に、40才台の若き経営者候補は確かに存在するが、本格的な「完投型」の経営者育成という観点からは、30才台半ばで、「経営の片棒を担ぐチャンス」が望ましい。しかしこの様なチャンスが特に欧米と比べ現在の日本市場では非常に限られているのが、問題(Issue)であると思う。
そんな中、同じ記事で、40才台の若き経営者の中、ダイエーの樋口社長(日本HP社長から本年6月転進)に関して、異業種への外部からの登用を例に取り、日本にも「経営者市場」が形成されつつある、とのコメントがあった。ご存知の通り、この背景には産業再生機構冨山COOの「熱きアンチテーゼ」があり実現した。サポートさせて頂いた弊社としても、この様なコメントは有り難く明るいニュースだと思う。今後この様なリファレンス、実績が次々と出て来て、ある臨界点で、「ざぁー」とある方向性に雪崩てゆくのだろう。この日本のメンタリティもある意味恐い気がするが、その時、グローバル競争でまだ間に合う段階である事を祈る昨今である。
最近のコメント